kumori工場

2015/07/23小さなしかけで楽しみいっぱい 皇學館大学授業

7月10日(金)に皇學館大学へ行ってきました。岡野裕行先生の授業「図書館サービス概論」にて、90名の学生さんたちの前でお話する機会をいただきました。参加してくださった皆様、呼んでくださった岡野先生、ありがとうございました。

授業で1番伝えたかったことは「小さなしかけで楽しみいっぱい」ということでした。小さなしかけを作ることによって、図書館を楽しくするにはどうしたら良いかということをみなさんと一緒に考えました。
はじめに、小さなしかけの例として、 kumori やブックパンケーキ、トキャラをご紹介し、その後、チームに分かれて、図書館を楽しくする小さなしかけを考えるグループワークを行いました。

授業を振り返って、良かった点

  • チーム分けにキャラクタ—をのせたオリジナルのメモ用紙を使うことで、楽しんでもらえた。
  • 事前に教室の写真を送っていただいていたため、前もって座席のグループ分けがしやすかった。
  • グループワークでは、少しずつ人数を増やしていき(最初は1人、次に3人組、6人チームで考えて)、その後シャッフルして、他のチームの人のアイデアを見る時間をとったのが良かった。

反省点

事前に授業前に教室内で準備できるか把握すべきだった。授業前の休み時間に準備できると思っていたが、教室に行ってみると、前の授業がはやく終わり、学生さんがすでに着席していたため、座席を移動してもらうのが申し訳なかった。今後は、授業前のことを把握して、はやめに準備を行いたい。

嬉しかった点

学生さんの感想文にありがたい感想をもらうことができた:

  • 「将来、司書になったときに活かしたい」
  • 「グループワーク苦手だったけど、アイデアを出せて良かった」
  • 「みんなのアイデアが実現したら、図書館はもっと楽しくなる」

アイデア集

「どのようなしかけがあったら、図書館へ行く楽しみをふやせるか?」という問いについて、みなさんに考えてもらった、アイデアをご紹介します。

図書館に行きたくなる楽しいしかけ

図書館に行きたくなる楽しいしかけ

図書館に行きたくなる楽しいしかけ

図書館員・コーナー系

  • 毎週○曜日に司書さんがおそろいの物を身につける。例えば、チェック柄でまとめてみる。チェックのネクタイ、服など。今週のおそろいの柄はなにかな?
  • 「今日は○○の日」で本の紹介コーナー作り。ツイッターと連動。
  • 今日は何の日?に関係する本を紹介。月に1度、その本に出てくる料理を作る教室を開催。
  • 本に出てくる食事を近くの飲食店さんで提供してもらう。図書館にはその本をディスプレイ、実際の料理の写真と本文の一部を並べる。絵本の読み聞かせなどの後、「この料理は○○というお店にあります」と紹介。
  • 歴史上その日に起こった出来事を紹介するコーナー作り。
  • 本の中のフレーズや冒頭を紹介するコーナー作り。
  • 入試の現代文や教科書で使われた本の展示。
  • 名言の日めくりカレンダーと本の展示。

オリジナルグッズ系

  • 本を借りた数に応じて、シールプレゼント。
  • スタンプカード。借りた本の冊数でスタンプを押す。たまったら景品がもらえる。
  • ポイントカード。季節の柄など色々なデザインのカードを作る。読んだ冊数に応じて、カードのデザインが変わる。最初はシンプル、段々とかわいい、かっこいいものに。

新設備・装飾系

  • BGMを掛けっ放しにする閲覧室を設けて、様々なジャンルの曲を流す。利用者のリクエストにも応じる。
  • 返却ポストをオリジナルなものに。例えば、カエル。口の中に本を入れる。反応して音が鳴る。
  • トキャラを作って、返却ボックスを口にする。
  • 児童コーナーにトキャラの足跡を飾る。
  • トキャラを利用した展示作り。POPに利用して、本を紹介してもらう。
  • ATM設置
  • 貸出冊数の累計で、貸出冊数の上限が増える。
  • 本棚をデコレーション。本に出てくる人やものを貼って、ここが返すところだよ!この本はここだよ!と視覚的にわかりやすく。

みんなのコーナー

  • 今日はこの本を借りた!返しに来た!などの一言を書けるボードを作る。
  • リレー小説。利用者や司書の人たちに自由に物語を書いてもらう。ノートは複数用意する。例えば、海の物語、お化けの物語、お菓子の物語。色鉛筆を用意し、挿絵も描いてもらう。物語が完結したノートは保管し、自由に閲覧できるスペースを作る。
  • カウンターに「おみくじBOX」を配置。おみくじには、本のタイトル・著者名・その本の文章・関連する挿絵が書いてある。読み終わったら、感想のコメントを書き、専用BOXに入れる。コメントは、感想コーナーで紹介。
  • 利用者のつくるおすすめ図書コーナー。利用者が良いと感じた本を自由に置ける。ただし、貸出日数や管理が難しいため、各週で受付曜日を決める。
  • 利用者におすすめ本の一言コメントを書いてもらい、おすすめコーナーの本とともに展示。コメントは箱に入れてもらう。イベントに合わせて、願い事の短冊の裏にコメントを書いて笹に飾るなどの工夫も。通年用とイベント用の箱を分ける。例えば、バレンタイン(2月)なら恋愛物をテーマにして募集。通年用ならいつ何の本を入れても良い。
  • 来てくれた人が目につきやすい場所に「気になる」本投票箱を作り、投票してもらう。後日、気になる本のキーワードのワンフレーズと共に、1位の本の紹介を特集として展示。
  • 利用者が読んだ本を簡単に紹介できるノート(1人1ページ)を用意。それを見た人がその紹介に対するコメントを自由に書き込める欄も。
  • 自由に書き込めるノートを置く。利用者や図書館員に本の感想を書き込んでもらう。
  • おすすめの本を紹介してもらい、年層別にランキングを作る。

探索イベント

  • 月1で本を5、6冊選び、その中からキーワードを抜きとる。キーワードの最初の文字を並べると別の言葉が浮かびあがる。見事正解したら、すてきなものがもらえる。
  • 親子で楽しめるクイズラリー(本探し)。わざと高い所に本を置いておき、親じゃないととれないことをいいことに親子で参加してもらう。一番はじめにゴールした人にはしおりやブックカバーなど本にまつわる物をプレゼント。
  • 県内や伊勢・志摩地方といったエリアを決め、その範囲にある図書館や博物館などに設置してあるスタンプを集めるスタンプラリー。期間限定・イベント限定のスタンプも用意。スタンプは少し奥まった所に設置。
  • 地域の図書館を巡るスタンプラリー。お祭で限定スタンプがもらえる。
  • 本探しのスタンプラリー。行事やイベントの限定スタンプを作って集める。集めた数で図書館に関する何かがもらえる。
  • キャラクターを児童コーナーの本の間に図書館員さんが少し見えるように挟んでおき、それを子どもたちに見つけさせて、ごほうびをあげるイベント。
  • 「図書館クエスト!~本を探して、読んで、解け!~」本の内容についての問題を実際に本を探して、読んで、解いていく。本の貸出がかたまらないよう、複数制作。景品を出しても良し。
  • 本の宝探し。本の名言とタイトルを書いた紙を本の間に隠しておいて、見つけられたらもってきてもらう。
  • 本にキャラクターのしおりをはさんでおき、借りた本にそれを見つけたらポイントがもらえる。ポイントがたまると、景品がもらえて、ポイントカードの柄も選べるようになる。
  • トキャラの絵が描いてある紙を色々な場所に隠しておいて、子どもたちに探してもらう

おもしろイベント

  • 夜の図書館のお泊まり会。
  • 小さなお茶会をひらく。
  • 地元の人を招き、地域に昔からある季節の文化を教えてもらう。
  • 読んだ本の題名で「しりとり」。例えば、「しりとり」で始まっていたら、「り」から始まる本を読んで、返却した時にしりとりをつなげることができる。カウンターの近くにホワイトボードを用意。自分がつないだしりとりがどうなっていくか楽しみに。
  • 「本の題名しりとり」大会。一人ずつ順番を決め、しりとりのように題名の最後と最初がつながるように本を探す。
  • 本の紹介しりとり!様々な人がすすめた本の最後の文字に続くタイトルの本を一人一冊紹介する。

みんなで作る

  • 昔の生活や道具のかるたを作って皆で遊ぶ。
  • 小さな机の上を段ボールの壁で囲い、中に本を1冊から2冊入れて、中を自由に飾り付けする。初めは司書が作るが、段々と利用者も参加できるようにする。
  • 絵本の世界をキッズコーナーに再現。例えば、「はらぺこあおむし」なら、たくさんの大きな葉や果物を置き、利用者があおむしの目線を体験できるようにする。
  • 本の一文や描写の絵を描いたシールを配布。ICカードに貼れるようなシールを作り、図書館の利用カードに貼ったりはがせたりできるようにする。デザインは自分で考えたり、こんなのがいいとアイディアを出せる形にする。
  • 折り紙コーナーを作る。千羽鶴用の小さいものから大判のものまで様々な折り紙を折り紙の本と一緒に置いておく。子どもはもちろん大人も童心にかえり楽しめる。ペンやシールも一緒に置いておいてオリジナルの作品がつくれる。できあがったものは特設コーナーで展示してもらえる。
  • 折り紙の本や工作の本を見て、利用者に実際に作ってもらい、作ったものを展示。動物を作ってもらったら、みんなのを集めて、その図書館にしかない動物園を作る。草花なら植物園とか。
  • 地域の人が作ったもの(手芸とか色々)をショーウインドーで展示公開。その近くに関連する本を置く。作った人とつながって、講座を開催。ペンネームや本名を本人と相談で公開しても。
  • 本の名シーン画廊。読んだ本の名シーンやそれに関するイラストを募集し、後日、本と一緒に紹介。このシーンがいい!→絵にしたい!、この絵が気になる!→読んでみたい!
  • エコバックを配布する。デザインをつくるイベントを行う。本の台詞や場面のデザイン。
  • 利用者にオリジナルの絵本や紙芝居を作ってもらい、その話を司書または本人に朗読してもらう。すべてを読み終えたら人気投票。後日、一番人気だった絵本・紙芝居を作った人に、その話に出てくるキャラのしおりを作る。図書館のキッズコーナーにその話の世界観を再現。
  • 自分の物語を絵本で自由に表現する。
  • 子どもたちを集めて自分の世界に一冊の絵本を作る会。
  • 絵本や小説に出てくる料理を、みんなで作り、食べてみる。
  • 図書館にある料理の本、工作の本を参考に、実際にそのものを作ってみる体験教室を行う。工作系であれば図書館で展示する。

授業で配布したもの

アイデアシートのプリント

キャラクタ—メモ用紙

授業がうまくいくか不安でしたが、終わってみると、楽しいアイデアがたくさんでて、また、感想文にはあたたかいコメントがたくさんあり、安心しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

追記: 授業で使ったタイマーを岡野先生が気に入ってくださり、先生からのご依頼でビブリオバトル用に改良したものを開発しています

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コメント / トラックバック2件

  1. 岡野ひかり より:

    とても楽しい講義でした!今までにない講義だったこととこういうアイデアが豊富だからこそ可愛いデザインと今までにない企画が思い浮かぶのだと実感しました。可愛いデザインのメモ用紙もとても気に入りました!あの講義のためだけとは勿体無いと思います!ぜひ、商品化を!と楽観的ですが思いました。

  2. yukino より:

    岡野ひかりさんへ

    コメント、ありがとうございます!お返事遅くなって、申し訳ありません。授業を楽しんでいただけて、ほっとしました。メモ用紙も気に入っていただけて、嬉しいです。商品化できたらいいなあと思っています。温かいお言葉をたくさんいただき、ありがとうございました。また皇學館大学へ伺いたいです:)

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